尋問開始
遊星「…えーっと……そのー………」
ゴドウィン「…何かな?」
遊星「熱い決闘を…本当にみられたんですか?」
ゴドウィン「ええ」
遊星「それにしては…墓地が少ないっていうか、展開していないよう…」
ゴドウィン「…ふ。それに関しては訂正しておきましょう」
遊星「え?」
ゴドウィン「私は最近決闘を生でみれていなかったので…少しの決闘でも熱くなったのですよ…。それだけのこととです」
遊星「ああ…しばらくみていなかったから…ですか(く、これじゃあ攻めようがない…)」
ゴドウィン「ええ、ですのでレッドデーモンズドラゴンが戦う姿でも十分に興奮できましたよ」
遊星「レモンでもねぇ…(レモンかぁ………レモン?レモンが…倒した?)あ」
ゴドウィン「どうしましたかな?」
遊星「…いぎ……。異議あり!!」
ゴドウィン「はは…いったい何を言って…」
遊星「お前は今さっき…。レッドデーモンズドラゴンがギガンテック・ファイターを倒したと言った」
ゴドウィン「ええ…完膚なきまでに倒していましたよ…それが何か?」
遊星「でも…それはちょっと違うはずだ」
ゴドウィン「な、何を…」
遊星「レッドデーモンズドラゴンの攻撃力は3000、それに対しギガンテック・ファイターの攻撃力は2800」
イェーガー「それならば、言い分があっているはずでしょう」
遊星「違う。…なぜならギガンテック・ファイターには特殊能力があるからだ」
十六夜「効果…あ!」
遊星「そう、ギガンテック・ファイターの攻撃力は、お互いの墓地の戦士族モンスターの数×100ポイントアップする」
イェーガー「…はっ!」
遊星「墓地の戦士族の合計は二枚…。ギガンテック・ファイターが、レモンに完膚なきまでにやられるわけがない!」
ゴドウィン「!!…ぐ…そ、それは…言葉のあやで……」
遊星「ゴドウィン長官…なぜ、嘘をつくのですか?」
ゴドウィン「い、いや…嘘などでは…そ、それはそのアレだ。私が見たのはアレだから…」
遊星「もしかして…殺したのはジャック・アトラスではなく…アナタではないのですか!?」
ゴドウィン「!!!?…な、う、あ、あ、あ、あ」
学園長「ゆ、ユーセイ君!いきなり何を…あ、アナタはもしや」
遊星「ああ、そうだ。…俺は犯人としてアンタを告発する!(確証はそんなにないけど)」
十六夜「ち、ちょっと遊星!だ、大丈夫なの!?」
遊星「え?し、しかし今さっきイザヨイちゃんが言ったんだぞ『嘘をつくとetc…』と」
十六夜「い、言ったけど…。もしかしたら勘違いっていうこともあるかもしれないじゃない」
遊星「え?…そ、それじゃあもしかして……」
十六夜「早とちり…かもね。これは」
遊星「!?そ、そんな…俺は仲間を助けたい一心なのに…」
ジャック「遊星……」
十六夜「こういうところだから緊張するのもわかるけど…慎重にこうどうしないと」
遊星「うぅ…。これはさすがにまずいか…。あ、あのー。さっきの告発の件なんだが…」
ゴドウィン「あ、お、思い出した!」
遊星「うぉ!?(な、なんだぁ?)」
ゴドウィン「わ、私が見たのは他のモンスターだったんだ!ギガンテック・ファイターじゃなかった」
遊星「……な、なるほど(より事態が悪化しそうな気がする…)」
学園長「そうだったのですか。…それは証言してもらいましょう」
ゴドウィン「すいません。…私、仕事で疲れていて…それで間違えたのでしょう。では、お願いします」
証言開始
ゴドウィン「モンスターを見間違えてしまうなど…本当に申し訳ない」
ゴドウィン「あの日は寝不足でしたので…記憶があいまいなのですよ」
ゴドウィン「私がレッド・デーモンズ・ドラゴンに攻撃されているのをみたのは」
ゴドウィン「No.39 希望皇ホープでした。…ホープも効果を使って応戦していました」
ゴドウィン「いやはや、エクストラデッキからでてきていた部分だけは覚えていたのですが…もうしわけない」
名前表記はカタカナのが雰囲気出てて好きだった
がんばれ
遊星「……なんだ、それ?」
十六夜「なんだか支離滅裂ね。…ギガンテック・ファイターとホープって」
遊星「ああ、さすがに誰も信用しないだろう」
学園長「ふむぅ。…見間違いですか」
イェーガー「私もよくあります。ええ、まったく」
遊星「(嘘つけよ!)」
十六夜「…どう?もう矛盾みつけれた?」
遊星「ああ、どうやら大分慣れてきたようだ…。それに、どうやらあんな嘘つくとは犯人…という俺の考えは」
十六夜「間違っていなかった?っていうの……いや偶然でしょ!それにまだ犯人とは決まってないし」
遊星「ははは…だよね」
尋問開始
遊星「ゴドウィンさん。…アンタ、本当にホープをみたいのかい?」
ゴドウィン「ああ。この目でしっかりと…こればっかりは大丈夫ですよ」
遊星「それは…嘘だな」
ゴドウィン「!!?……な、な、な、な、なにを…」
イェーガー「異議あり!それはたんなる言いがかり…」
遊星「異議あり!…もちろん、証拠はあります」
ゴドウィン「何!?…」
遊星「もう一度…。被害者の決闘盤の墓地を見てみよう。…ほら、な」
学園長「ふむぅ。……な、何がほら、な。…なのでしょうか?」
遊星「(…説明いるのか)…証人は今はっきりと言いました。『ホープの効果発動をみた…』と」
学園長「発動するでしょうな。破壊されてはたまりませんから」
遊星「ですが…ならば足りない物ありますよね?」
イェーガー「?…あ、ああ!!」
ユーセイ「そう。ホープのランクは4。…効果を発動したならば、墓地にレベル4のモンスターがいるはずです!」
ゴドウィン「!!??…し、いや…それは…そのだ…」
イザヨイ「いいわよ、ユーセイ。…そう、そういうところよ!」
ユーセイ「どうですか?…なぜ、レベル4のモンスターがいないのか…。説明できますか?」
ゴドウィン「…うぅ。…あ、あれだ。私はその…」
イェーガー「異議あり!!……なんだ、そんな事ですか。ふふふ」
ユーセイ「!(…なんで、なんでイェーガーは余裕なんだ?)」
イェーガー「弁護人もしっかりと見なさい。…墓地のトップには何のカードがありますか?」
ユーセイ「墓地トップ?……あ、ああああああああ!!」
イザヨイ「そ、そういうことね…」
とりあえず、見えやすいように名前は調節してみます
イェーガ「そうですよ…。しっかりとあるじゃないですか。死者蘇生が」
学園長「…と、いいますと?」
ユーセイ「(この人はまだわからないのか?)」
十六夜「死者蘇生でコストとして使ったモンスターを…特殊召喚したってわけね」
イェーガ「そしてフィールドのカードは風で飛んだので…なくても不思議ではないということですな」
学園長「なるほど…。これは弁護人の早とちり…ですかな?」
ゴドウィン「!…そ、そうだ。確か、彼女は死者蘇生を使っていた!い、今思い出したよ…」
ユーセイ「…この焦りよう…。絶対に嘘のはずなんだ…」
十六夜「嘘…でしょうね。ならばね、ユーセイ。…質問をしてみたら?」
ユーセイ「質問?」
十六夜「ええ。嘘に嘘をぬっても…かならず限界がくる。だから、そこをつくのよ」
ユーセイ「なるほど…。嘘をついている隙をつくってわけか。なら、そこをついてみるか」
イェーガ「…?で?どうしたのですか?弁護人」
ユーセイ「証人!…その、特殊召喚したモンスターは何だったんだ?」
ゴドウィン「も、モンスター?」
十六夜「熱心に見ていたんでしょう?…寝ぼけていても、モンスターぐらいは覚えていますよね?」
ユーセイ「特に死者蘇生で復活させるぐらいだ…。すごいモンスターだったに違いない。それを覚えていないことは…ないだろうな」
ゴドウィン「!!??……えっとそれは…あれだ(レベル4…な、なんだ。いいモンスターがとっさに思いつかんぞ)」
ユーセイ「さあ、思い出してください!」
ゴドウィン「さあ…覚えていないような…」
ユーセイ「覚えていない…そうなんですか?」
ゴドウィン「ぐぐぐぐ……あ、そ、そうだ!レアメタルドラゴンだ!」
十六夜「レアメタルドラゴン?…あの通常召喚ができないレベル4モンスター…」
イェーガ「攻撃力は2400のモンスターですね」
ゴドウィン「おそらく、装備カードでもつけて一斉攻撃する予定…だったんだろう」
学園長「なるほど、それならば話は通りますな」
イェーガ「確かに、攻撃力の高いモンスターならば復活させる価値はありますね」
ゴドウィン「そ、そうだ!相手のライフを削ることは大事なことだし、いい壁になるだろう!」
学園長「ふむぅ。…話の筋としてはいい感じですが…。どうですか、弁護人。何か反論はありますか?」
十六夜「…ユーセイ」
ユーセイ「ああ」
十六夜「いいカードが聞け出せたわね」
ユーセイ「ああ、中々の墓穴だ。…もちろん、異議があります!」
イェーガ「また見え透いたハッタリを…」
ユーセイ「ふふ…。残念ながら、今の俺は頭がきれてる…。その嘘は見破った!」
ゴドウィン「な、何…!?」
学園長「しかし弁護人、レアメタルドラゴンを出しても、装備魔法をつけて一斉攻撃をするなら不自然はないのでは…?」
ユーセイ「そうじゃない。…問題は、レアメタルドラゴンの効果」
イェーガ「通常召喚ができない…?そんなの問題ではない!死者蘇生は特殊召喚だぞ!」
学園長「そ、それぐらい私にはわかりますぞ!」
十六夜「ふふ…。まだほかの人は分かっていないようね」
ユーセイ「ああ、その効果がどういう意味を持ち、この墓地では召喚するのがほぼ不可能な意味…」
ゴドウィン「…ふ、不可能などでは……」
ユーセイ「いいえ。不可能なんですよ」
だめだ…どうしてもユーセイの口調となるほど君の口調がまざってしまう。
ユーセイ「確かに、コストとして支払ったレアメタルドラゴンを墓地に送り、死者蘇生で復活させる事は可能だ」
学園長「ですな」
ユーセイ「しかし問題はそこじゃない。ではどうやってレアメタルドラゴンを、ホープの素材にしたのか…が問題なのさ!」
イェーガ「それは通常…ああ!」
ユーセイ「そう。レアメタルドラゴンは通常召喚ができない!特殊召喚でしか不可能だ!」
ゴドウィン「それは……その、特殊召喚を他のカードで…」
ユーセイ「それもほぼ不可能。…墓地をみても、特殊召喚するカードはない」
十六夜「(あ、でもユーセイ。…切り込み隊長とか、ブリンギョ、レダメとか…できるわよね?)」
ユーセイ「(それがあるならば反論で言ってくるさ…。でもそれすらも言ってこないってことは)」
ゴドウィン「え、あー…えーっと…そのーだ……」
ユーセイ「どうやら…反論はないようだな」
十六夜「そこまで頭が回っていないのね。…切羽詰まりすぎだわ」
学園長「ふむぅ。…ここまでくると…。弁護人の告発が真実味を増してきましたな」
ゴドウィン「!!?…か、勘弁してくれ…うう、お、わ、私は見たんだ…そ、そいつが殺して…」
イェーガ「そ、そうですぞ!せっかく貴重な証人にむかって!」
学園長「ここまで矛盾した嘘が出てくるとなると…証人としてどうかと思います」
ユーセイ「ふ…どうやら、決まりだな?」
十六夜「…何告発してよかった、みたいな顔してるのよ」
ユーセイ「言わないでくれ。…ちょっと怖いんだから」
ゴドウィン「うううう、ううううおおおおおおおおおおおおお」
バシッ!
ユーセイ「うお!…な、なんか顔にかかって…」
十六夜「ゆ、ユーセイ!」
ユーセイ「これは……れ、レアメタルドラゴン?」
ゴドウィン「み、みたんだよぉおおお!俺はよおお!この目であのクソ男が殺すところぉよおお!」
十六夜「せ…性格が面白いように変わってる…」
イェーガ「あ、あの長官?お、落ち着かれては…」
ゴドウィン「うるせぇ!」
イェーガ「ひいいいい!」
学園長「しかし、アナタの決闘はつじつまが合わないではないですか…」
ゴドウィン「思い出したよ!そういえばあのねーちゃん…。ブリンギョ使ってやがったんだ!」
ユーセイ「やばい…ここにきて頭が回るようになりやがった…」
学園長「それは…本当ですか?」
ゴドウィン「まだ疑うってのか!?…それならば見せてやろう…これが、これがその証拠だああああ!!」
×ブリンギョ ○ブリキンギョ
すいません…なんか一文字足らないとおもったら…
ユーセイ「…ぶ、ブリキンギョ?なんで持ってるんだ?」
ゴドウィン「ははは…。これか?あの場所からちょっと拝借したんだよ!」
十六夜「え?…な、なんですって…」
ゴドウィン「そこ男が決闘盤もすべて捨てて逃げた後…ちょっといいカードだと思って、貰ったんだよ」
学園長「し、証人!それは立派な犯罪ですぞ!」
ゴドウィン「うるさい!…こっちはそれより重罪の殺人犯にされるところなんだ…そんなちっぽけな罪どうでもいい!」
十六夜「小っちゃくはないでしょ…。役職的にも」
ゴドウィン「…ふ。ならばこんな罪…金と地位の力で闇に葬ってやるよ」
ユーセイ「無理だろ!…しかし、どうするイザヨイちゃん。…変な事言い出したぞ」
十六夜「…多分だけど、あのカード…証人のデッキ…なんじゃない?」
ユーセイ「…そんなすぐにバレそうな嘘。…今更つかないだろ」
十六夜「人間、窮地にたたされたら意味の分からない行動をするものよ」
ユーセイ「そうか…?」
十六夜「それに、あれを証人のカードだと証明するの…ちょっと難しいかも」
ユーセイ「そうか?…一応叩いてみるか。…証人!それは本当に被害者と被告のものですか?」
ゴドウィン「当然だ。…いや、当然でしょう」
ユーセイ「前の余裕を取り戻してきたか。…ならば、指紋を採取してもよろしいでしょうか?」
十六夜「……たぶん、無駄よ」
ゴドウィン「すいません。さすがに他人の物だったので…きれいに全て拭いてしまいました」
ユーセイ「ふ…拭いた?」
ゴドウィン「ええ。…ですので、私の指紋しかついていませんが…よろしいですか?」
ユーセイ「なんだと…」
十六夜「それぐらいの反論はできるでしょうね…。平常心を取り戻しつつある…」
ユーセイ「くそ…ど、どうやったらあの嘘を証明できるんだ…」
十六夜「あの嘘を証明できたら…さすがに犯人だと認めされる事ができるでしょうね」
ユーセイ「どうやって…く…」
十六夜「ユーセイ」
ユーセイ「え?」
十六夜「……弁護士に必要な事、知ってる?」
ユーセイ「必要な…事?」
十六夜「それは…発想を逆転させることよ」
ユーセイ「発想の逆転…ってやつか?」
十六夜「そう。…あれを、『証人のカードだと証明する』それが難しいなら、逆転するのよ」
ユーセイ「逆転する…発想を」
裁判長「…ふむ。いささか悩まされる証人ですが…。話の筋はどうやら通るようです」
イェーガ「ですから…最初から結末は被告は有罪だと決まっているのですよ」
ゴドウィン「ふふふ。…私も不名誉な罪をかぶらずにすみました。…まあ、よしとしましょう」
ユーセイ「逆転の発想……」