尋問開始=============
ユーセイ「…一応聞いておくが、証人が言っていることは全て事実か?」
シェリー「ひ、ひどいぃ…。私が言っていることが嘘だって言うんですかぁ?」
ユーセイ「…答えは聞くまでもないようだな」
シェリー「そうですよ!これに嘘なんてないですよ!」
ユーセイ「…じゃあ、本当にアキがシンクロ召喚している場面を見たんだな?」
シェリー「当然です!」
ユーセイ「異議あり!…それは、明らかに矛盾している!」
ガクエンチョー「ゆ、ユーセイ君!それはどういうことですか!?」
ユーセイ「これは…決闘において基本的なことですよ、学園長」
ユーセイ「証人。エクストラデッキの枚数制限、知ってるか?」
シェリー「15枚でしょ。馬鹿にしないでよ」
ユーセイ「その通りだ。…今、手元にある資料を見ると…被告人がしようしていたエクストラデッキの枚数は14枚」
ガクエンチョー「ふむぅ。…シンクロ召喚を一度行っているので、問題はないのでは?」
ユーセイ「それはどうかな。…墓地を見てみろ!」
ガクエンチョー「……!こ、これは…ブラックローズドラゴン!?」
シェリー「え?」
ユーセイ「そう…これでは、被告人のエクストラデッキの枚数制限が超えている。…つまり、これでは決闘できていない!」
シェリー「!!!……う、嘘…」
ガクエンチョー「確かに!!…これでは、ルール違反ですぞ!」
シェリー「そ、それはその……」
キリュー「異議あり!」
ユーセイ「……鬼柳」
キリュー「……がっかりだ。がっかりだぜ…遊星。…そんなんじゃ、満足できねぇぜ」
ユーセイ「な、何!?」
キリュー「お前さんこそよく見てみな…。この決闘盤の魔法&罠を…」
クロウ「?……これは…黒薔薇の刻印!?」
キリュー「そうさ!…つまり、このTGハイパー・ライブラリアンは被害者のもの」
ガクエンチョー「薔薇の刻印で、被害者のカードを洗脳した。…ということですかな」
キリュー「ああ。つまり…何の問題もねぇぜ」
ユーセイ「し、しかし!今、証人ははっきりと『シンクロ召喚したと!』」
シェリー「ああ!それですかぁ?…間違えちゃいました。ごめんなさい」
クロウ「…あの女…マジむかつくぜぇ…!」
ユーセイ(…これぐらいか。今つっこめることは)
キリュー「まだ、まだ何かあるかな?」
クロウ「あ!…そうだ、ブルーノの墓地!お、おい遊星!これこれ!」
キリュー「クロウ…その悪あがきはよせ。…どうせレベル5になるようなチューナーとモンスターがいないと言うんだろう」
クロウ「!?…な、なぜ…」
キリュー「答えは簡単さ…。墓地には、貪欲な壺がある。…意味、分かるな?」
ユーセイ「貪欲な壺で…モンスターを回収してデッキに戻した…というわけか」
クロウ「そ、そんなぁ…」
ユーセイ「…だが、読めていた」
クロウ「な、何ぃ!?」
ユーセイ(これぐらいの軽いミスは…おそらく簡単に修正できる。…だが、違う方向から攻めたらどうだ?)
ユーセイ「証人!…シンクロ召喚などで証言に矛盾が生じました。よって、新たな証言を要求します」
キリュー「…まだ満足してねぇのか、ユーセイ」
ユーセイ「当然だ!…まだ、議論していない事があるんだからな!」
キリュー「ほぅ。…いいだろう」
ユーセイ「証人!…その時に起きたことを、しっかりと鮮明に言ってください!」
サイバンチョー「それでは…お願いします!」
証言開始============
シェリー「また証言?めんどくさいなぁ……」
シェリー「その時、被告人が被害者のカードを薔薇の刻印で奪った。…それは間違いないわ」
シェリー「そして、そのまま被告が被害者になんか叫んでたわ」
シェリー「多分、日ごろの怨みとかじゃない?そこでついかっとなって…殺しちゃったんだと思う」
シェリー「私見てたもん。無残にも…モンスターが相手にとどめをさす瞬間を!」
クロウ「…ようやく、慣れてきたかな」
ユーセイ「法廷の空気にか?」
クロウ「…………そういうことにしておいてくれ。ユーセイ、しかしこれは俺でも分かったぜ」
ユーセイ「嘘が…か?」
クロウ「ああ。…刻印の薔薇の効果でカードを除外したら、除外ゾーンにカードが送られるよな?だが、除外ゾーンには何もない…だろ?」
ユーセイ「除外ゾーンはポケットだから、決闘盤にはそんなもんなくて当然だぞ」
クロウ「あ。……だったらカードはどこに…」
ユーセイ「それは証明できない。…そんなものはないからな」
クロウ「…なら枚数制限とか!さっきみたいに!デッキは…40枚あったんだろ?それっておかしくないか?一枚ポッケにつっこんでるんだろ?」
ユーセイ「…元々41枚のデッキなら不自然はないし、ルール違反していないだろ」
クロウ「………すいません、分かりません……」
ユーセイ「とりあえず、見てろって…」
ガクエンチョー「それでは、尋問をお願いします」
尋問開始======================
ユーセイ「…証人、本当にあのモンスターが被害者にとどめをさしたんだな?」
シェリー「はい!…可哀想に、きっとダメージに耐えきれなかったんでしょうね…」
ユーセイ「本当に、あのモンスターか?」
シェリー「そうですよ!」
ユーセイ「あの、TGハイパー・ライブラリアンが、相手を一刺しにしたんだな」
シェリー「しつこいなぁ!そうだって……あ」
キリュー「TGハイパー・ライブラリアンが……一刺しに…だとぉ?」
ユーセイ「ああ、司法解剖の結果通り…TGハイパー・ライブラリアンが…一刺しにした…ということだな!?」
キリュー「ま、まさか!」
ガクエンチョー「い、一体どういうことですか!?」
ユーセイ(説明必要か……)
シェリー「そ、それは……」
ユーセイ「TGハイパー・ライブラリアンの絵を見れば分かる。…彼が持っているのは、本一冊のみだ」
ガクエンチョー「本一冊…?ああ!こ、これだけでは、相手を一刺しなどできないではないですか!」
ユーセイ「そう。…TGハイパー・ライブラリアンの攻撃は刃物ではなく、魔法的な物。…司法解剖に書いてあるような結果が、起こるはずがない!」
キリュー「ぐあああああ!」
シェリー「きゃああああああああああ。…く、ハァ……ハァ……」
ユーセイ「一体どういうことだ?証人!」
キリュー「異議あり!…と、とどめは被告人がさしただけで…。他の傷をカードがつけたのであれば…」
ユーセイ「異議あり!…それはあり得ない。なぜなら傷は、ここ一つだけなのだから!」
キリュー「ぐああああああ!……ぐ、ゆ、ユーセイィィィ!」
途中からシェリーがキュリーになってる。ごめんなさい…誰だこれorz
シェリー「ぐ……ぐ……」
ユーセイ「証人!お前は、あり得ない光景を見たと言っている。そして、それはモンスターがこのカードである以上…あり得ない」
シェリー「う………そ………それは………」
ユーセイ「さあ、どう説明する、証人!!」
シェリー「う…ああああああああああああ!!!!」
ユーセイ「うおっ!」
クロウ「うわ!」
ドーンッ!
シェリー「うるさい!不動 遊星!私は、私は見たのだ!」
クロウ「あ、いつものシェリーだ」
シェリー「ふふ!それは被告だと何度も言っているだろう!」
ユーセイ「…おかしい。どうやって……いや、待てよ」
クロウ「どうした?ユーセイ」
ユーセイ「ボーイに用事を頼んでおいた…というのは本当だな?」
シェリー「…愚問ね。さっき、検事が答えたでしょ、そこのアリバイは崩れないと」
ユーセイ「…それは、直接頼んでいたのか?それと、電話で?」
シェリー「……で、でん」
キリュー「……異議あり!…証人の部屋からコールは一度もないと記録がある。…すなわち、直接に決まっているだろう」
シェリー「そ、そうよ!」
ユーセイ(…鬼柳が異議を申し立ててまでも邪魔してきた…。おそらく、そこが突破口か!)
ユーセイ「ならおかしい。…窓で事件を目撃しながらボーイと直接話す…これはちょっと不可能じゃないか?」
シェリー「そ…それは……」
キリュー「…本件とは、関係ないことだ」
ユーセイ「異議あり!…これは目撃している時に起きた重大な矛盾だ!関係ないことはないだろう!」
ガクエンチョー「異議を認めます。…証人、どうなのですか?」
シェリー「そ、それは…そ、そのぉ……」
キリュー「……ふ、ここまでか」
ユーセイ「?」
??「それは…私が話そう」
クロウ「誰だ!?」
??「それは…彼女が私と一緒にいたからだよ、不動 遊星」
ユーセイ「お前は……!」
ガクエンチョー「ち、ちょっと!なにもなしに勝手に証言するのは……」
ホセ「名はホセ。…一応、修正屋のようなことをしている」
ガクエンチョー「いや、だからですね!聞いてますか!?」
キリュー「彼は……私の証人だ」
ガクエンチョー「な、なんですと?」
ホセ「聞いただろう。私は証人で召喚されたのだ…。何も問題あるまい」
シェリー「……ホセ」
ユーセイ「一緒にいた…とは、どういうことだ!」
ホセ「その言葉の通りだ。私達は仕事をするためにコナミホテルに泊まった。…それだけのことだ」
クロウ「…いやいや、怪しすぎだっつーの」
ホセ「そこで私が見たことを…彼女が証言してくれたのだ」
ユーセイ「つまり…本当に事件を見たのは…お前…だと」
ホセ「そういうことだ。…あいにく、私はこの通り老いぼれでね。緊急の時以外は証言しないと検察側と約束したのだ」
キリュー「年寄りは大切にしろ…。そう習わなかったか?遊星」
ユーセイ(……こいつ、何を隠している?)
クロウ「…やばいぜ、遊星。ホセって言ったら…。あのニューワールドの連中の一人だ」
ユーセイ「ニューワールド?」
クロウ「ああ…。多くの権力と力を持って、やばい仕事をいくつもしてきたって噂の連中だ…」
ユーセイ「だから…鬼柳も従ってた…ってわけか、あの無理な要求を」
クロウ「かもな。…とにかく、今は親玉が出てきたんだ」
ユーセイ「ああ、ここは一気に叩く!…証人、では詳しいことを証人が証言してください!」
キリュー「ほぉ…。聞いても同じだぜ」
ユーセイ「そうはいかない。…本当に事件を見ていたものならば、新たな情報もあるかもしれないからな!」
シェリー「不動 遊星!…貴様」
ホセ「待て。…いいだろう。…こうなったら、やむをえまい」
ユーセイ「よし…これでいけるか…?」
ガクエンチョー「それでは、証言をお願いします」