証言開始=============
ホセ「私は全て見ていたんだ。…決闘を最初からね」
ホセ「最初は被告が押していたかと思うと…被害者が逆転と…中々見ものだった」
ホセ「スポーアやボルヘジをフィールドに並べるまではよかったんだが、」
ホセ「被害者がTGを使い、ワーウルフやサイバー・マジシャンなどのコンボは素晴らしかった」
ホセ「その時、加害者がまるで鬼のような形相になってね。いきなり…奇妙な力を使いだした」
ホセ「そして、TGハイパー・ライブラリアンを奪い取り…その後、ライブラリアンの影からこっそりと被害者を刺し殺すところまでもな」
ホセ「まったく、酷いものだたよ」
ガクエンチョー「ふむぅ。…聞いている限りでは矛盾はないですな」
ホセ「凶器はカードを具現化させたものだろう。…だから見つからないのだ」
クロウ「適当な事をてめ…!」
ユーセイ「待て!…暴力では何も解決できない。…それより、矛盾を見つけるのが先決だ」
クロウ「矛盾?…そんなの、どこにあんだよ」
ユーセイ「あるさ。…たった一つだけ、どうしても納得できない矛盾がな」
キリュー「苦し紛れのハッタリなら…満足できねぇぜ?」
ユーセイ「安心しろ!…満足させてやる!」
ガクエンチョー「それでは、尋問をお願いします」
尋問開始============
ユーセイ「証人、全て見ていたといったな」
ホセ「…そうだが」
ユーセイ「そのわりには…ちょっと矛盾があるように思える」
ホセ「…何?」
ユーセイ「スポーアとボルヘジ…?これらをフィールドに並べるのは、少し無理に思える」
キリュー「異議あり!…何を言っているんだ遊星。…被告の決闘盤を見てみろ。…ほら、手札断殺を使っているじゃないか」
ユーセイ「確かに。…手札断殺を使い、スポーアなどを墓地に、そしてボルヘジを何らかの方法で墓地に送ることができる…だが」
ガクエンチョー「まだ…納得できませんか?」
ユーセイ「そうだ。…スポーアはチューナー。…モンスターを除外しているにしろ、展開するならシンクロ召喚かエクシーズ召喚の材料にするはずだ」
ガクエンチョー「でしょうな」
ユーセイ「じゃあ…一体、何をシンクロ召喚したんだろうな」
キリュー「言うまでもねぇ。…唯一使ってるブラックローズドラゴンだろ」
ユーセイ「そう、その時シンクロ素材にされたボルヘジは除外される」
ホセ「それで、墓地のボルヘジがおかしいというのかね?…あれは二枚目のボルヘジだ。だから別に不自然な点は…」
ユーセイ「そこじゃなくて…そうなるのであれば、ブラックローズドラゴンは、一体なぜ墓地へ送られたのか」
ガクエンチョー「ふむぅ。被害者の墓地には除去カードはない…。先頭破壊ですかな?」
キリュー「高攻撃力モンスターなら…墓地にいったときに貪欲な壺で回収したんだろう」
ホセ「そうだ。そういうことだから問題は……」
ユーセイ「それはどうかな。…その高攻撃力モンスターはなぜ、倒されたのか。そして…ブラックローズは…なぜ、その時に守られなかったのか」
キリュー「それは…このサンダーブレイクを使って破壊を……あ、アレ?」
ガクエンチョー「それだと…攻撃される前にサンダーブレイクで守ればよい。…あ、奈落の落とし穴…は元よりですな」
キリュー「……倒せない。…倒したとしても、フィールドに残っているはずだ」
クロウ「フィールドに残っているのならば、なぜ、決闘盤のフィールドにいないのか…」
キリュー「ぐ…ま……ま……まさか……」
ホセ「矛盾が生まれる…だとぉっ!」
ユーセイ「そうだ!…変なプレイングミスをしない限り、ブラックローズドラゴンは墓地に送られない!」
キリュー「いや、スポーアでのシンクロは他のモンスターの可能性が…」
ユーセイ「墓地にはシンクロカードはブラックローズドラゴンだけだ!その可能性は墓地を見る限りない!」
ホセ「ぐううう………く……だが……私は……絶対に……絶対にこの事件には自信があるのだああ!!」
ユーセイ「なぜだ!なぜそんなことが言える!?」
ホセ「ぐう…………そ、それは………!」
キリュー「……証人、ここは素直に罪を認めたらどうだ?」
クロウ「…!ど、どういうことだ!?」
キリュー「……証人は、実は……ブルーノ決闘事務所を……盗聴していたのだ!!!!」
ホセ「…そ、そうだ!だからこそ…この事件は……その」
キリュー「盗聴していて…それを聞いていたのだ。…だから、少々の誤差があった…ようだ」
ユーセイ「……なん、だと」
クロウ「そんなのありかよ!」
ホセ「すまないな。…私もいろいろと権力を行使してやっていることがあるのだ。…因みに盗聴器は、これだ」
ガクエンチョー「これは…?」
キリュー「少し古いタイプだ。…ほぼ携帯と同じスペックだな」
ホセ「すまない。…少しそれで私が混乱してしまったようだ…。今までの証言はあやふやなものでな…」
クロウ「ふざけんなよ…なんだよ、それ!」
ホセ「なので、正確には見ていたのではなく…聞いていたのだよ」
ガクエンチョー「ふむぅ。…理由は罪深きことですが、一応筋は通っているようですなぁ」
ユーセイ「…そんな、馬鹿な。…そんな…」
クロウ「まて遊星!まだだ!まだ証言を聞き出せばどうにかなる!」
ユーセイ「だが、盗聴の証言…どうすれば」
クロウ「諦めるな!…希望がある限り…俺達は仲間を信じるんだ!」
ガクエンチョー「それでは、弁護側の意見もありますので、証言をお願いします」
証言開始====================
ホセ「私は全てのモンスターの鳴き声などを覚えている…よって、盗聴で決闘を聞き出すことなど可能だ」
ホセ「モンスターの説明がなくとも、スポーア、ボルヘジはもちろん…マイナーなモンスターでもあった幻影コオロギも鳴き声で分かった」
ホセ「よって、私は全てが分かっていた…気がしていたんだが、どうも違ったようだ」
ホセ「ブラックローズドラゴンや、TGなど…ちょっと困るな」
ホセ「お互いにモンスターの説明していなかった…まあ、チームの一員なら当然かもな」
ガクエンチョー「ふむぅ…鳴き声…ですか」
キリュー「KCは鳴き声もこだわっていてな。なるべくモチーフにしたモンスターの鳴き声を使っているんだ。だから独特と言えば独特だ」
ユーセイ「………カードの矛盾……く」
クロウ「…あ、あきらめるな!遊星!…お前の手に、アキが……アキの運命がかかってるんだぞ!」
ユーセイ「……だが、今の俺に……カードの矛盾なんて……」
クロウ「何言ってんだよ!お前の切り札はカードの矛盾を暴くだけじゃないだろ!その博学知識だって…」
ガクエンチョー「どうやら…ユーセイ君もここまでのようですね」
キリュー「ふぅ。…そろそろ、満足できそうだぜ。じゃあな、遊星」
ガクエンチョー「それでは…そろそろ」
ユーセイ「俺の……カードの矛盾……知識?………あ、そ、そうか!」
ガクエンチョー「それでは」
ユーセイ「異議あり!!!」
キリュー「おいおい…俺達の満足はこれから…ってか?」
ホセ「もう話うことは…ないはずだ」
ユーセイ「違う…まだだ。まだ尋問が残っている!」
ガクエンチョー「ですが…ユーセイ君にはもう…」
ユーセイ「違う!…確かに、カード自身の矛盾は見つけられなかった。…だが、違うところにならあった!」
キリュー「……何?一体どういうことだ?」
尋問開始=================
ホセ「一体何をいまさら…」
ユーセイ「…もう一度だけ聞く、モンスターの鳴き声をすべて聞いた…。そうだな」
ホセ「そうだ。私は全て聞いたのだ…」
ユーセイ「それはありえない!……なぜなら、幻影コオロギの鳴き声は…聞くことができないからだ」
ホセ「だから言っているだろう。幻影コオロギもすべて分かったと…」
ユーセイ「それはあり得ない。…その盗聴器、スペックは昔の携帯電話と同じ…なんだったな」
ホセ「そのはずだ」
ユーセイ「…ならば、コオロギの鳴き声は聞こえない。…なぜなら、携帯電話のヘルツ」
キリュー「…!……ま、まさか……」
クロウ「ヘルツ……さっき言ってたやつ!」
ユーセイ「携帯電話が伝えることが可能なヘルツは400~3400ヘルツ。だが、コオロギの鳴き声は…それ以上」
ユーセイ「つまり、盗聴器越しからでは聞くことはできない。…できるのは、現場にいて、デッキをいじっているとき…その時でしか不可能だ!」
ホセ「………………あ…う……うあああああああああああああああああ」
クロウ「やったぜ!さすがにこれ以上は言い訳できまい!」
ホセ「うあああああああああああああああ」
ユーセイ「さあ次は何だ?見ていない?聞いてもいない?…なのになぜ嘘をつく!それはお前が…犯人だからだろ!」
ホセ「うああああああああああああああああ」
バタンッ!
キリュー「あ」
ガクエンチョー「か、カカリイン!証人を!至急証人を医務室まで!」
クロウ「……終わった……な」
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ユーセイ「…これで、ようやく…おわった……」
ガクエンチョー「…それで、証人は?」
キリュー「素直に自白してるぜ。…どうやら、最初から殺すつもりで盗聴をしていたらしい」
ガクエンチョー「ふむ。怖い話ですな」
キリュー「前々から被告人に罪をなすりつけるために動いていたらしい。…決闘盤は、彼女が事務所においているところを狙ったようだ」
ガクエンチョー「それで全ての工作を行い、サイコ決闘者のせいにしたと…」
キリュー「決して許さることじゃねぇ。シェリーって女も、ホセもしっかりと牢獄で満足してもらうぜ」
ガクエンチョー「それで、動機は…?」
キリュー「未来の修正だとか意味わかんねー事言ってる。…まあ、それは後々報告させてもらう」
ガクエンチョー「分かりました。…とにかく、それでは被告人に判決を言い渡します」
無 罪
ガクエンチョー「本日はこれにて閉廷!」
某日 某時 ネオドミノシティ決闘裁判所控室
十六夜「ありがとう…ありがとう遊星!私…アナタのおかげで!」
ユーセイ「イザヨイちゃん!…よかったな!これで俺達も元通りだ!」
十六夜「そうね、これからも…ずっと…」
ユーセイ「ああ…!」
クロウ「……ゴッホン!」
十六夜「キャ!…あら、いたのクロウ」
クロウ「いたのじゃねーよ!ああ、そうですよ。どうせ俺は何もしてもせんよー。…勝手にノロケてろ!」
ユーセイ「すまない。悪かった。…本当に」
クロウ「いや、そこまで謝らなくても…。でも、とにかくおめでとうアキ……あ、イザヨイちゃん」
十六夜「でも…。ブルーノが……」
ユーセイ「……そうだな。…だが、俺達はブルーノから大事な事を教えてもらった」
クロウ「そう……だな」
ユーセイ「だから…俺達は、後ろを振り返っちゃいけない。…希望を掴むんだ」
十六夜「ユーセイ……」
ユーセイ「俺…もうちょっと…決闘裁判…頑張ってみるよ…」
十六夜「…うん!じゃあ…これから、ブルーノ決闘事務所じゃなくて、ユーセイ決闘事務所ね!」
ユーセイ「…え?……そうか…俺が……よし、やるぞ!」
終
続かないと思われる
今度こそ…これで最後だと思います。なんか、やっぱり最後はgdgdだし
とにかくありがとうございました!
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引用元:https://hayabusa.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1380111984/