キリュー「へっ!…こいつを見てみなぁ」
ジャラァ…
ユーセイ「あれは…証拠品にもある、目玉のアイテム」
キリュー「こいつはよぉ…。闇の決闘ができる…闇のアイテムなのさ」
ガクエンチョー「や…闇の決闘ができる……?」
十六夜「闇のアイテムですってええええええ!?」
ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
ガクエンチョー「せ、静粛に!!…キリュー検事!これは一体…?」
キリュー「何もねぇ。…さっき言った通りさ…これは、闇のアイテムなのさ。…これを使って、闇の決闘で相手を殺したんだよ!」
ユーセイ「……やはり、そういうことか」
十六夜「ユーセイ!知ってたの?」
ユーセイ「なんとなくな…。昔、決闘の歴史本でみたことがあったから…なんとなく覚えていたんだ」
十六夜「でも、闇の決闘なんて…ただの都市伝説みたいなものでしょ!?」
キリュー「そうでもないぜ!…決闘は昔から…人を、いや世界を滅ぼしかけてきた。だからこれがあったって不思議じゃないのさ!」
十六夜「そんな馬鹿げた話…!……ありえる、かも」
ユーセイ(実際、何度もそういうことを見てきたし…)
ガクエンチョー「大体は分かりました…ですが、直接被告人を犯人だと…決めつける要因はないのでは?」
キリュー「あるぜ…。とりあえず、それを説明するんだったら証人を呼ぼうか。…きな!」
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ガクエンチョー「証人、名前と職業を」
ミカゲ「はぁ…疲れちゃった。もう!どれだけここにくるまでに人が混んでるのよ!
なんでこんなに交通の便が酷いわけ!?あーもう頭にくる!本当に疲れるっていうか、足にくるんです足に!
いや、別に年齢とか、そういうのが関係しているんじゃないんですよ?ってか、そんなことは言っていませんけどね!
そういうのじゃなくて…なんていうかな、その?あーそうそう。女よ、女!私女だから…
アレ?なんの話をしてたんだっけ?いやねー!ホント、私こういうそそっかしいところがあってね…この前もあってね!
まーアレよアレ。私有能な上司とか秘書みたいに思われてたけど、ちょっとそそっかしいっていうか、女の子っぽいっていうか
そいういう部分があってもいいんじゃない?みたいな…そうそう、ギャップよギャップ!ギャップがあってもいいじゃない!
いや、あるべきだわ!アレ…?何の話してた…!あ、そうそう!交通のことよ交通!もう!本当に腹立つわー!
牛尾ー!どこにいるのホントにも」
ユーセイ「ち、ち、ちょっと!…黙って!本当に黙ってくれ!」
ガクエンチョー「…ふむぅ。これは…ちょっと手ごわいですなぁ。証人!名前と職業を!」
ミカゲ「え?名前と職業?狭霧 深影…セキュリティ特別捜査課長やってるんだけど!ちょっと聞いてくださいよ!いやほんと
この前ね、パトロール言ってたらそれがもう大変なの!ナンパっていうんですか?もう!私にはアトラス様がいるのに!もう!
と思いつつ私にやけてて…ああ!これって浮気になr」
ユーセイ「待った!!!」
十六夜「私も…歳をとったらああなるのかしら」
ユーセイ「それは本当に勘弁してくれ…」
キリュー「気を取り直して…では、説明に入る。…なぜ、被告以外は殺害ができなかったのか…」
ガクエンチョー「そうそう。…それでしたな」
キリュー「この撮影所は…正門を挟んで東と西に分かれているんだ。東が撮影スタジオ。西が小道具や楽屋ルームが並んでいる」
ガクエンチョー「ふむぅ。…ずいぶんとわかりやすいですなぁ」
キリュー「殺人が起きたのは東の第一撮影スタジオなわけだが…。第一撮影スタジオに入ることができたのは、被告だけだ」
ユーセイ「それは確かなことなのか!?」
キリュー「確かだ。…なぜなら、午前の撮影終了後、スタッフ・演者は全員西の楽屋に戻っている」
ガクエンチョー「全員…ですか」
キリュー「ああ。…昼飯を食べるため、だそうだ…。まあ、当然だな。そして、西の楽屋から東の撮影所に行くには」
ミカゲ「私がいた警備室の前を通らないといけないんです。…そして私は、ドラガン以外見ていない!」
キリュー「そういうことだ。…おそらく、被害者は東の第一スタジオに残っていたんだろう。…だから、殺すためには東のスタジオに移動するしかなかった!」
ガクエンチョー「どうして…アナタが撮影所の警備を?」
ミカゲ「コナミ撮影所は元々セキュリティが警備をしていたんですが…その日は忙しくて、警備に行けるのが私しかいなかったんです
でもだからって何で私なのかさっぱりわからない!確かに、確かに恋人と呼べる人はいないけど!いないけど私だって暇じゃないのよ!暇じゃ!
一体誰のもくろみなのかしらキー!!!!!やっぱりあのカーリーとかいう女?あの女か!
でもまあ確かに色々あったのは分かるけど!分かるけどアトラス様~~~~~!!
あー…でも、よくよく考えてみたら私って何でもできるし…ある意味勝ち組…ハッ!あ、勝ち組で思い出したんだけど、昨日のテレビ見ました?
私ねーインタビューで映ってたんですよーウフフ!!演技とかもー完璧にやっちゃった。いやーあれはあれで、テレビに勝ったっていうの?
なんていうかね、やっぱりカサブタみたいな」
ユーセイ「待った!!!!」
キリュー「…裁判長、もう彼女に話題を振るのはやめてもらいたい。…心が、折れそうだ」
サイバンチョー「以後気を付けましょう…」
キリュー「それと、止める係は…ユーセイ。頼んだぞ」
ユーセイ「って俺かよ!」
十六夜「…でも、あの人達が言っていることが本当だとしたら…厄介ね」
ユーセイ「確かにな…。これは厄介だ」
十六夜「本当に、その道を通るしか…方法はないのかしら?」
ユーセイ「そのようだ。…俺も昨日、現場を見てきたんだが…どうやっても警備室の前を通らないといけないみたいだ」
十六夜「これは絶対絶命…かしら」
ユーセイ「かもしれない。…だが、どうにかして矛盾を見つけてやるさ…」
サイバンチョー「ふむぅ。…それでは、今回は決闘がらみの事件です。…決闘に関しての証言をお願いします」
ユーセイ「まずは…ここから崩すぞ!」
証言開始============
ミカゲ「証言?…あ、これが証言ってやつなの?キンチョ―するわー」
ミカゲ「でも…私実際見てたわけじゃないし…あ、でも音は聞こえたかも。ズドーンとか、大きい音」
ミカゲ「きっと、アトラス様のデッキだから…相手をボコボコにやってしまっていたに違いないわ!」
ミカゲ「クリムゾンブレーダーの音もしてたわね…。私もってるから知ってるのよ!」
ミカゲ「あれって使えるわよねー。相手の召喚制限できるからさー」
十六夜「あら、意外ね。…また無駄に喋るかと思ったらすんなりと終わったわ」
ユーセイ「最初はそうしようとしたらしいが、時間を無駄に使って、腕が疲れるからやめてくれ…だそうだ」
十六夜「腕が疲れる!?…時間は分かるけど、腕が疲れるって…誰が!?」
ユーセイ「裁判を傍聴している記者…ってことにしておいてくれ。よし、さっさと矛盾を暴くか」
十六夜「もう矛盾を見つけたの!すごいわ!」
ユーセイ「まあ、イザヨイちゃんは見ててよ…!」
ガクエンチョー「それでは弁護人、尋問をお願いします!」
===========尋問開始
ユーセイ「証人は…キングマンのデッキが、相手をボコボコにした…と」
ミカゲ「勿論よ!あれはアトラス様をモチーフとしたデッキ。確かに、チーム5D’sのカードも混ざってるけど…」
ユーセイ「そして、クリムゾンブレーダーが召喚し、戦っているのも聞いた。確かだな?」
ミカゲ「そ、そうよ!」
ユーセイ「異議あり!…それはありえない。クリムゾンブレーダーはおそらく…そのまま倒されたか、返り討ちにされているはずだ」
ミカゲ「そ、そんな馬鹿な!アトラス様…いえ、キングマンのカードが!」
ユーセイ「証人、被害者の墓地をご覧ください。ここには、虚栄巨影を使った…と書いてあるのですよ!」
ミカゲ「虚栄巨影…?」
キリュー「モンスターの攻撃宣言時に発動でき、モンスター一体の攻撃力を1000あげるカード」
ミカゲ「まさか…!?」
ユーセイ「おそらく、この墓地を見る限りでは…戦闘を行ったのはこの『ジェムナイト・パール』と『クリムゾン・ブレーダー』」
十六夜「この二人が戦闘し…虚栄巨影を使ったのであれば…!」
ユーセイ「クリムゾン・ブレーダーは相手を倒すことは出来ない!これは明らかに矛盾しています!」
ミカゲ「き、きゃあああああああああああ」
キリュー「異議あり!…虚栄巨影をそれ以前に使えば問題は…」
ユーセイ「異議あり!…エクシーズ素材のモンスターはどうやってもクリムゾンブレーダーの攻撃力には届かない」
キリュー「ほぅ…」
ユーセイ「そして、クリムゾンブレーダーの素材、およびジェムナイト・パール以外のモンスターを攻撃し破壊したと考えた場合…それはおかしい」
十六夜「墓地にこの順番で虚栄巨影が置かれるのはおかしい…。それじゃあ、クリムゾンブレーダーも、ジェムナイトパールも特殊召喚されないはず」
ユーセイ「そうだ!この順番で互いにシンクロ召喚、およびエクシーズ召喚するには、虚栄巨影はジェムナイト・パールに使い、クリムゾンブレーダーを倒したと考えられる!」
キリュー「ほぉ…中々やるなぁ、ユーセイ。…だが、なんだ?」
ユーセイ「……何?」
キリュー「たかだか、序盤の小さな戦闘を立証しただけだ。それじゃあ、被告の無罪を証明したことにはならないぜ」
ユーセイ(分かってる…だが、これが…小さな突破口になるかも…しれない。ここからハッタリでいくしかないか)
ユーセイ「証人!この証言は明らかに矛盾している…。アナタは、本当にあそこにいて、本当に聞いていたんですか?」
ミカゲ「な!?わ、私を疑うっていうの!?」
ユーセイ「証人の存在が怪しければ…証人も容疑者だ。なぜなら、証人はこの事件を影から操ることもできるのだから!」
十六夜「なるほど、無理やり相手を容疑者にして…情報を引き出すってことね」
ユーセイ「さあ、どうなんですか!」
ガクエンチョー「ふむぅ。…確かに、弁護人の話は無茶苦茶ですが、筋は通っています」
ミカゲ「そ、そんなぁ…!いや、だって私確かに聞いたんだもの!聞き間違いかもしれないけど!」
ユーセイ(実際のところ、きっと聞き間違いだろう。…俺もその場にいて、しっかりと理解しろと言われても…分からないだろうし)
ユーセイ「だが…叩けるところは叩かせてもらおう。なにせ情報がないんでな!」
ガクエンチョー「それでは、そのしっかりと聞いたという決闘の音…もう一度証言してもらいましょう」
=============証言開始
ミカゲ「確かに…確かに最初は違ったかもしれないけど、ちゃんと聞いたのよ!」
ミカゲ「レッド・デーモンズ・ドラゴンがの音もしてたし…それが何度も連続で相手を倒す音だってしてたわよ!」
ミカゲ「クリムゾンブレーダー?その行方は知らないわよ!もう…あいつの発言して損しちゃったじゃない!」
ミカゲ「ジェムナイトパールも何勝手に勝ってくれてんのよ!もう知らない!」
十六夜「こんどは極力あんまり喋ってないわね」
ユーセイ「さすがに俺の尋問がきいたか…。まあ、いい薬になっただろう」
十六夜「私も歳を取ってああなったら…ユーセイにそうしてもらおうかしら」
ユーセイ「本当に勘弁してくれ…。もう止める自信がない…」
ガクエンチョー「証人…そんなに怒らなくても…」
キリュー「証人、怒りなら弁護人にぶつけることをおススメするぞ」
ユーセイ「なんでだ!?」
ガクエンチョー「その怒りをぶつけられることも含めて…弁護人、尋問をお願いします」