=======尋問開始
ユーセイ(今回も…細かい点をついて…新たな情報を聞き出すか)
ユーセイ「証人は…レッド・デーモンズ・ドラゴンが連続で敵を倒した…と言っていたな」
ミカゲ「そ、そうだけど?」
ユーセイ「それはありえない!」
ミカゲ「ど、どうしてよ!」
ユーセイ「…互いの墓地を見てみよう。モンスターの蘇生などがあるから順番は分かりにくいが…順を立てていけばわかりやすだろう」
十六夜「決闘を見ていく…?」
ユーセイ「おそらく、レッド・デーモンズ・ドラゴンを出された次のターン…。キリューの手札は0枚だった」
キリュー「インフェルニティデッキにおいては、手札0枚は基本だからな」
ユーセイ「そして、引いたカードは…インフェルニティ・ビートルだった。ビートルを召喚し、効果を使い…エクシーズ召喚」
キリュー「ガチガチガンテツ…確かに、被害者の墓地にはあるな」
ユーセイ「ガチガチガンテツの効果は、素材を一つ取り除く事で破壊されない効果!つまり!ガンテツは…次のターンの戦闘で破壊はされなかった!」
ユーセイ「つまり、あなたの聞いた…レッド・デーモンズ・ドラゴンが連続で倒していく音…それはまぎれもない矛盾だ!」
ミカゲ「きゃああああああ。で、でも…レッド・デーモンズ・ドラゴンの効果で破壊されるんじゃ…!」
ユーセイ「確かに、レッド・デーモンズ・ドラゴンは守備モンスターを破壊する効果がある。だが、二つ目の素材を外せばいい話!さらに!」
キリュー「次のターンにはおそらく…被害者はインフェルニティ・デーモンを引いているはず…。特殊能力でガンをサーチして…シンクロした…だろ」
ユーセイ「………!!…そうだ、それでインフェルニティ・デス・ドラゴンを召喚して効果で破壊しているはず…。だから、連続で破壊しているなんてありえない!」
ミカゲ「きゃああああああ!」
十六夜「凄いわユーセイ!…こんなこと考えていたのね!」
ユーセイ「ああ、証拠品を預かった時、色々とパターンを考えてシュミレーションしておいた……」
十六夜「どうしてそれを今まで言わなかったのよ!…そうしたら、何かほかにいい案が…」
ユーセイ「いや…言えないんだ。どうあがいても…この決闘、最悪の結果にしかならかったんだ…」
キリュー「ふ」
十六夜「最悪の結果…?それって…?」
ユーセイ「それは後は…今は、証人を追い詰める。証人!アナタは本当にその場所にいたんですか!?」
ガクエンチョー「どうなのですか?証人!」
ミカゲ「い、いたわよ!!…本当にあそこを通ったのはドラガン一人だけだしぃ…もう!」
十六夜「本当かしら?写真とか…そういうのが一枚でもあればいいんだけど…」
ミカゲ「写真?…そ、それならあるわよ!」
十六夜「え?嘘、あるの!?」
ユーセイ「それは…ま、マズイ!?」
キリュー「聞いてねぇぞそんなの!?」
ミカゲ「バーバラさんから言わなくていいって言われてたけど…こうなったら、えーい!!」
ドンッ!
キリュー「こ、これは!」
ガクエンチョー「この写真は…!」
十六夜「まさか…!?」
ユーセイ「…………キングマンの着ぐるみ?」
キリュー「……おい、証人。これが…証拠だとぉ!?」
ユーセイ「あの様子だと、本当に聞いてなかったんだな、キリューのやつ」
ミカゲ「そうよ!このスーツを着るのはドラガンだけ!だから、これがドラガンが通った証拠なの!」
ユーセイ「……なんだろう、大分気持ちが楽になってきた」
十六夜「ええ…反撃の言葉が今頭の中でいっぱいだわ!…これで無罪判決にいけるわ!」
ユーセイ「ああ!…とりあえず言っておこう、キングマンの着ぐるみは誰でも着れる!つまり、これが被告である証拠はない!」
キリュー「ぐあああああああああ」
ガクエンチョー「証人…この写真は?」
ミカゲ「防犯カメラの写真よ。…だから誰かが通るたびに自動的にシャッターが押されるみたい。…この時間帯はこれ一枚しかなかったわ」
キリュー「ぐあああああああ!し、証人てめぇ!!!」
十六夜「キリューも新情報で混乱しているみたい!一気に行くわよ!」
ユーセイ「ああ、異議……」
??「異議あり!!!」
ユーセイ「な……なんだぁ……だ、誰ぇ?」
??「そ、その意見には異議があります!ち、ちょっと待ってもらおうかー!!」
ガクエンチョー「だ、誰ですか!アナタは!勝手に証言しないように!」
??「待って!本当に待って!その意見はちょっと違うんだってば!」
キリュー「裁判長…アレだ。一応、召喚する予定はなかったが…俺の証人だ」
ガクエンチョー「な、なんですとぉ!?…な、名前と職業は…?」
ハラルド「ハラルド…!今は映画監督をしておる!」
十六夜「あれ?…なんか、この前決闘した時とはイメージが違うような…」
ユーセイ「どうやら映画監督のやりすぎで、性格が崩壊したと見える」
十六夜「無茶苦茶だわ!そんな理論」
ハラルド「あれ?そこにいる君…かわいいねぇ…」
十六夜「え?あ、私…?」
ハラルド「ふむむむ!ひらめいた!今ひらめいたよぉ!キングマンに続く作品…!その名も『マジョコマン』」
十六夜「ま……マジョコ……」
ユーセイ「マン……?(そこはウーマンじゃないのか?)」
ハラルド「萌える!これは萌えるぞぉお!時代は魔女っ娘、そうマジョコなんだ!!ははははは!」
十六夜「ユーセイ……なんかこの人、怖い」
??「それ以上の無駄口はおよし!」
ハラルド「ひぃ!?」
??「まったく…ロクなもんじゃないねぇ…。作品はいいんだけど」
ガクエンチョー「だから!勝手に法廷に出て証言をしてはいけません!」
キリュー「……彼女も、一応俺の証人だ。…一応、召喚という形にしておいてくれ」
ガクエンチョー「……こうも身勝手な行動は困りますがね!…証人、名前と職業を」
バーバラ「バーバラ…コナミ撮影所のオーナーやってるわよ。…とある町を追い出されちゃったからね」
キリュー「…ふん、お前がいては満足できんからな」
ガクエンチョー「そういう身内のいざこざは、外でやってほしい物です。…とにかく、さっきの異議はどういう意味なのでしょうか」
バーバラ「衣装の事さ」
ガクエンチョー「衣装…というと、あのキングマンの着ぐるみ…のことでしょうか」
ハラルド「そうです。…あの衣装、実はけっこう高級なんで厳重なロッカーにしまってあるんですよ」
バーバラ「出演者以外が持ち出せないように…厳重なセキュリティがしかけられているのよ」
ハラルド「その厳重なセキュリティーっていうのが、演者しか持っていない…このセキュリティーカードなんですよ」
ガクエンチョー「つまり…それがないと着ぐるみが着ることができない…ということですか」
ハラルド「そういうことです」
ユーセイ「し、しかし!それを盗めば問題はないはず…!」
バーバラ「そうもいかないのよ坊や。このロックを解除するには…さらに暗証番号も必要ってわけ」
十六夜「暗証番号…?」
バーバラ「そう。一人一人に与えられた暗証番号。カードによって違うから、暗証番号は全て違うのよ」
ユーセイ「何…じゃあ盗み出しても…着ぐるみを着ることは出来ない…!?」
ハラルド「そしてその日いた出演者はドラガンとブレイブのみ…」
ガクエンチョー「ふむぅ…。これは…もはや決定的…ですかな」
ユーセイ「そ…そんなぁ…」
キリュー「ふ…出てこさせる予定がない証人だったが…まあいい。これで勝ちなら…別に」
ユーセイ「(ん?…待て!なぜ…なぜ出させる予定がなかったんだ!)待った!検事!なぜ出せる予定がない証人なんだ!?」
キリュー「なんでも食らいついてくる気だな…ユーセイ。まあ教えてやるよ。どうせ冥土の土産だ」
キリュー「彼女たちはな…闇の決闘が行われたとき、東の撮影スタジオにいたのさ!」
ユーセイ「な、何!?…じゃあ、彼女たちにも犯行が可能なんじゃ…!?」
ガクエンチョー「そうですぞ!キリュー検事!」
キリュー「まあそう焦るな。…ただし、いたのは殺人が起きた第一撮影スタジオじゃない。第二スタジオさ」
ユーセイ「第二…スタジオ?」
キリュー「そして闇の決闘が起きた同時刻。…突然、第二スタジオで停電が起こった。電子扉である第二スタジオは…完璧に開かなくなっちまったのさ」
ユーセイ「停電だと…。まさかそんな偶然」
キリュー「おそらく、闇の決闘の力も影響しているんだろうよ。…停電の確認はとれている。こっちで色々調べた結果、停電は本当にあったそうだ」
ガクエンチョー「ふむぅ。…二人が外に出られない以上。…闇の決闘は不可能でしょうなぁ」
ユーセイ「く…そんな」
キリュー「第一スタジオで行われていた闇の決闘を…どうやって第二スタジオに閉じ込められている人間ができるってんだよ!」
ユーセイ「く…うおおおおおおおおおおお!!」
十六夜「ゆ…ユーセイ!しっかりして!」
キリュー「くくく…。まあ、もうちょっと地獄は続くぜユーセイ」
ユーセイ「な、何!?」
キリュー「今回はお前を完膚なきまでに叩き潰してやるよ…。次の証人、きな!」
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ルア「……ごめん、ユーセイ」
ユーセイ「る、龍亜!!…これは一体!?」
キリュー「彼は…事件の目撃者なんでね。しっかりと証言してもおうか」
十六夜「龍亜が…目撃者ですって!?」
キリュー「実は…東の撮影スタジオには子供が入れるサイズの穴があるんだ。…そこからこいつは侵入してきていたらしいぜ」
ユーセイ「そういえばお前…撮影を見に来ていた…と言っていたが…こういうことだったのか」
ルア「ご、ごめんよぅ!お、怒らないで…ユーセイ。悪いことだとは思っていたんだけど…つい、キングマンが見たくて…」
キリュー「証人はいつものように撮影現場に侵入し…。排気口をたどってみていたようなのだ…被告と、被害者が決闘をする瞬間をなぁ!!」
ユーセイ「な、なんだってええええええええ!!!」
ガクエンチョー「ふむぅ。…これが事実ならば、被告の有罪は免れないようです。…では証人、証言をお願いします」
========証言開始
ルア「俺…いつもみたいに、壁にある穴からスタジオに侵入したんだけど」
ルア「道がわからなくて…迷子になっちゃったんだ」
ルア「建物に入ったんだけど、どこかわからないし…人の気配がしたから近くの排気口にかくれたんだ」
ルア「そしたら、そこで決闘が始まったんだ。…なんだか黒い霧が現れて、嫌な雰囲気だった」
ルア「でも、キングマンが見えて、ちょっと元気づけられたんだ!…敵のダークキリューの声もして、これは撮影かなと思ったんだ」
ルア「黒い霧でよく見えなかったけど…。クリムゾン・ブレーダーで効果を発動するために攻撃したり」
ルア「レッド・デーモンズ・ドラゴンの死闘面白かったんだよ!リビングデッドの呼び声で復活したり、死者蘇生で復活したり」
ルア「/バスターになるのを狙って、バスター・モードを伏せている時もピリピリしてたよ!」
ユーセイ「…ルア」
ルア「ごめんなさいユーセイ。…キリューが、こうすればキングマンが助かるっていうから…俺」
十六夜「なんて汚いやつ…子供を騙すだなんて!」
キリュー「騙してなんかねぇぜ。…罪を償わせて助ける。…それは正しいことだと思うがな」
十六夜「くっ!」
ユーセイ「イザヨイちゃん。…ルアのやりたいこと、そして決意は分かった。」
十六夜「ユーセイ…」
ユーセイ「だからこそ…ルアの矛盾をここで暴き出す!」
ガクエンチョー「それでは尋問をお願いします!」
============尋問開始
ユーセイ「龍亜…。本当にキングマンを助けたいか?」
ルア「も、もちろんだよ!」
ユーセイ「そうか…。なら、お前の矛盾を暴かなければならない…」
ルア「矛盾?…それって何?」
ユーセイ「嘘みたいなもんだ。…ともかく、お前は今、嘘をついていることがある」
ルア「う、嘘だって!?俺は嘘なんて一つも…!?」
ユーセイ「あるさ。…ルア、お前は/バスターを狙って、バスター・モードをキングマンが伏せた…と言ったな」
ルア「う、うん!そうだよ!…だって、インフェルニティ・デス・ドラゴンの効果の対象にされても、バスター・モードで逃れることができるし…」
ユーセイ「それはあり得ない。…ルア、レッド・デーモンズ・ドラゴン/バスターはな…。キングマンの手札にあったんだ」
ルア「え?て、手札に!?」
十六夜「バスター・モードは…対象のカードがデッキにいないと発動できない。手札にあると…もう発動は不可能」
キリュー「い、異議あり!…フツーにデッキには二枚目のレッド・デーモンズ・ドラゴン/バスターがあれば問題は…」
ユーセイ「異議あり!…それなら、証人が裁判が始まる前に言ってくれたよ…『キングマンは全てのカードをピンざし』だってな…」
キリュー「な、何ぃ!?」
ユーセイ「龍亜!…お前は本当は何を見たんだ…。バスター・モードを伏せるときにピリピリしていた?そんなのありえない!」
ルア「ユーセイ…ごめん…ごめんよぉ…お、おれ…」
ガクエンチョー「とにかく。証言に矛盾がある以上、他の証言を求めるしかないようですな」
十六夜「ユーセイ…これで新たな証言を引き出せた。けど」
ユーセイ「これ以上…龍亜を苦しめることになる…。く、だがこれがお前を救う唯一の方法なんだ…すまない」
キリュー「く…まだ状況は逆転していないんだぜ。安心するには早い」
ガクエンチョー「それでは、新たに証言をお願いします」