=============証言開始
ルア「うぅ…見た事?…そうだな、明確に見たことは」
ルア「一度は禁じられた聖杯を使って、インフェルニティ・デス・ドラゴンを倒したんだけど、また復活されたんだよね」
ルア「ネクロマンサーの効果を使われて…なんだか、見てるこっちがハラハラしたよ」
ルア「でも、メタモルポッドの効果で手札を一気に回復!…そしたらあっという間にセイヴァ―・デモン・ドラゴンを出しちゃってさ」
ルア「相手の決闘者を倒しちゃったんだよ!これは本当だよ!」
ユーセイ「これが…ルアの証言…か」
十六夜「残酷ね…こんな形の証言って…」
ユーセイ「自分が大好きな人に…今自分が言葉のナイフを刺している。…ルアも子どながらに分かっているんだ。だが」
十六夜「止めてしまえば…正しい償いはできなくなる。罪を償うことが正しい事…キリューにそう言われたのね」
ユーセイ「……ルア、お前は救い出して見せる!」
ガクエンチョー「それでは、尋問をお願いします」
===========尋問開始
ユーセイ「ルア……排気口から、そのすべてをみていたんだな」
ルア「…うん」
ユーセイ「しかし、よく排気口に入れたな。ホコリだらけだと思うんだが」
キリュー「それは週に一度、清掃係がしっかりと全ての撮影所の排気口まで掃除しているからだ。…どうやら、監督がホコリに敏感なようでね」
ユーセイ「それで入ることができた…ということか」
キリュー「事件の前日はまさにその日でな。…だから入りやすかっただろうな」
ユーセイ「…そうか。…その疑問は解けたが…。もう一つ解けない事がある」
ルア「え?」
ユーセイ「…セイヴァ―・デモン・ドラゴンが相手を倒した…これは嘘だな」
ルア「そ、そんなことないよ!俺は見たんだもん!…それに、墓地を見れば、召喚した跡があるでしょ!」
ユーセイ「確かに…それはある。…だが、被害者の墓地にも残されていたんだよ。…このカードがな!」
十六夜「『攻撃の無敵化』!?このカードは」
ユーセイ「フィールド上のモンスターは戦闘によって破壊されるが…自分は戦闘ダメージを受けないカード…ルア、きっと被害者は…これを使ったんじゃないのか?」
ルア「そ、そんなこと!?」
ユーセイ「でなければ説明ができない!セイヴァ―・デモン・ドラゴンの効果上、とてつもない攻撃力がある。…よって、ここで使わないわけがない!」
ルア「う、うわああああああああああ」
ユーセイ「裁判長!証人の証言には矛盾があり…」
キリュー「くくくくく」
ユーセイ「!?…キリュー、何がおかしい!」
キリュー「…もう満足したか?ユーセイ」
ユーセイ「何?」
キリュー「中身がどうであれ…結果はもう決まってるのさ。…たしかに、セイヴァ―・デモン・ドラゴンの事は俺も気づいていた」
ガクエンチョー「で、ではなぜ…このようなことを」
キリュー「どうせ無意味だからさ…。裁判長…セイヴァ―・デモン・ドラゴンの戦闘後…と思われる墓地をみてみな」
ガクエンチョー「無の煉獄…ですか?それ以上墓地はないようですが」
キリュー「そうだ。…つまり、それ以上の墓地はない。…つまり、決闘はそこで終わったんだよ」
ユーセイ「く…やはり、そういうことだったのか」
キリュー「そうだ。…被害者はそこで終わらせたんだ…。セイヴァ―・デモン・ドラゴンに恐れをなし、インフェルニティ・デス・ドラゴンを墓地に送るとき…サレンダーしたのさ」
ユーセイ「異議あり!だが、その推理だと墓地に無の煉獄があるのはおかしい!」
キリュー「手札がポロリとおちて墓地にたまたま無の煉獄がはいっちまった…ってところじゃねーのか?」
ユーセイ「ぐうう!!」
キリュー「まあ、なんでもいい!とにかく決闘はそこで終わってるんだ。…違う形であろうとなかろうと…キングマンがダークキリューに勝ってるんだからよぉ!」
ユーセイ「う……うわあああああああ(……勝て……ない)」
十六夜「ゆ、ユーセイ!しっかりして!…あなたがあきらめたら…どうするのよ!」
ユーセイ「イザヨイちゃん…でも!」
ルア「ユーセイ……ユーセイ!あきらめないで!」
ユーセイ「龍亜…」
ルア「確かに…今の俺は足でまといだとおもう。ううん、邪魔してると思う!…けど…こんなところで、ユーセイの諦める姿なんて…みたくないよ!」
ユーセイ「龍亜…そうだ。龍亜の諦めない力が…龍亜をシグナ―にしたんだ…。俺が…諦めてどうする!」
キリュー「くくく。あきらめも肝心だぜ、ユーセイ。…勝ったもんを、どうやって負けにするんだよ」
ユーセイ「考えろ…。そうだ、発想!発想の逆転…」
十六夜「そうよ。…発想を逆転させるの…それが弁護人として、決闘者としての最後の武器よ!」
ユーセイ「発想の逆転……。!…そ、そうだ!…逆転…そうか!分かったぞ!」
キリュー「裁判長…。もう話し合うことはねぇ…。さっさと判決を出しちまいな」
ガクエンチョー「そうですな。…これ以上の審議は必要なしとみなします。判決を……」
ユーセイ「異議あり!!!!」
キリュー「なんだぁ?…まだ諦めてねーのか」
ユーセイ「見つけた…。ああ、この決闘の中における…最大の矛盾をな!」
キリュー「……何?」
ユーセイ「……龍亜!」
ルア「え?」
ユーセイ「龍亜…本当の事を教えてくれ…。キングマンは…本当は、負けたんじゃないのか!?」
キリュー「な、なにぃ!?ユーセイ、何を言い出す!?」
十六夜「そ、そうよ…この墓地やフィールドから、どうやってキングマンが逆転負けするのよ」
ユーセイ「俺は最大の矛盾に気づいた…。それは、被害者の最後の手札!」
十六夜「手札?」
ユーセイ「ルアは言った…『メタモルポッドを使って…』と…ならば、当然被害者の手札も五枚なければいけないはず!」
十六夜「あ…」
キリュー「な……何!?」
ユーセイ「だが、被害者のものとされる決闘盤および手札には…そのような形跡が一つもない!これは、明らかに矛盾しています!」
ガクエンチョー「そ、そういえばああああ」
ユーセイ「なあ、龍亜!本当の事を話してくれ!…キングマンは…負けたんじゃないのか!!?」
ルア「………う、うわああああああ!!!き、キングマンがぁ…ま、負けるはずがないんだあああああ」
十六夜「る、龍亜……」
ルア「……ぐっすん。……うう。ユーセイの言うとおりだよ…。本当はさ、キングマン…負けたんだよ、相手に」
ユーセイ「龍亜…よくぞ言った!」
ガクエンチョー「証人!どうしてそのような嘘を!」
ルア「だって!正義の味方のキングマンだぞ!…負けるなんてありえないのに…負けちゃうだなんて…!そんなの嘘だあああ!」
キリュー「ガキのわがままかよ…。……あ?き、キングマンが…負けた?だと?」
ユーセイ「そうだ。…この決闘で、キングマンが負けたんだ。思えば、おかしな矛盾ばかりだった…深影さんも、龍亜も」
十六夜「まるで…キングマンが勝った…というような矛盾。深影さんはフツーに間違いだったけど」
ユーセイ「そこで俺は気づいた…。じゃあ、キングマンが勝った…という事実自体が矛盾なんじゃないかってね」
キリュー「だ、だが…これによって何が変わるっていうんだ…!」
ユーセイ「まだわからないのか?…これによって、敗者はキングマン。敗者は死ぬ…ならば、キングマンに入っていた人は…」
キリュー「被害者である…ブレイブ。…じゃあ、警備室の目の前を通ったのも…ブレイブ!?」
ユーセイ「その通り!…これによって、東の撮影スタジオにいた人間は四人に絞られる」
十六夜「被害者、龍亜、そしてハラルドとバーバラ」
ユーセイ「龍亜、本当にお前はスタジオの排気口の中にいたのか?」
ルア「う、うん!…どこかは分からないけど…。逃げ出す時も、見つからないように逃げるのに必死だったから…」
ユーセイ「ならば簡単な事だ…。龍亜がいた場所には、被害者と…もう一人誰かがいる場所」
キリュー「まさか!?」
ユーセイ「そうだ!…停電して動けないと思われていた第二撮影スタジオ…あそこにしか人はいない!」
十六夜「ユーセイ!」
ユーセイ「俺はここで…ハラルド、そしてバーバラを…告発する!」
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バーバラ「告発されたから…ここに立ったけど…」
ユーセイ「先程言ったように、もう犯人候補は絞られました。…そして、それは被告ではない」
バーバラ「何を言って…。なんなら、そこの龍亜っていう坊やの可能性もあるじゃないか」
ユーセイ「排気口に隠れていた…。その証言をもとに、第二撮影スタジオの指紋をとれば、龍亜の行動がわかるはずだ」
バーバラ「ぐ…もし、排気口から指紋が出れば」
ユーセイ「勿論。龍亜の証言が適応される。…そして、アンタらが犯人だということが…立証される。そこには、アンタらしかいなかったんだからな」
バーバラ「ほ、他の人間が……」
ユーセイ「電子ロックは停電により機能せず、ロックしたままだった…。どこからも侵入不可能だ」
バーバラ「う…じ、じゃあ……」
ユーセイ「アンタたちは…。闇の決闘に勝ち、怪しまれないように決闘盤に細工。そして、第一撮影スタジオへと運んだ」
ユーセイ「近くには車があるだろうし、最低、ハラルドに運んでもらえばいい」
バーバラ「ち……ちがうわ……」
ユーセイ「被害者が来ていたキングマンの衣装を脱がしたのは、捜査をかく乱するため…決闘盤は、元々キングマンの着ぐるみについてきたら…利用しただけ」
バーバラ「うぅ………ああああああああ」
ユーセイ「第一撮影スタジオに誰もいない以上…第二撮影スタジオのあなたたちしか…不可能なんだ!」
バーバラ「ああああああああああああ!!!」
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ガクエンチョー「…なんとも不思議な事件でした。キングマンが負けるはずがないという思い込み、そしてその情熱…更に偶然が…事件を混乱させたようですね」
キリュー「二人とも洗いざらい話してくれたよ…。決闘盤からカードを抜いて細工したことも、闇の決闘をしたこともな」
ガクエンチョー「なぜ…闇の決闘なんて」
キリュー「どうやら、あのバーバラって女と、ブレイブって男の間には色々とあったらしい。…男と女のことだ。何があっても不思議じゃない」
ガクエンチョー「それだけ…なのでしょうか」
キリュー「闇のアイテムは人を操るらしいからな…。ちょっとの怨みや妬みで反応されて…ブレイブって男が操作されちまったんだろう。…どっちも可哀想だ」
ガクエンチョー「つまり…被害者は返り討ちにあったと…?」
キリュー「何にせよ…。被害者は全員かもしれねーな。バーバラって女も…殺したくもない相手、無理やり殺しちまったんだ」
ガクエンチョー「なんとも…不思議な事件です。…とにかく、被告人に判決を言い渡します!」
無 罪
ガクエンチョー「本日は…これにて閉廷!」
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某日 某時刻 ネオドミノシティ決闘裁判所控室
ドラガン「む…無罪…私が無罪…!」
十六夜「やったね!ドラガンさん!…これで救われたんですよ!」
ユーセイ「ああ。…これで、一件落着だ」
ルア「………」
ユーセイ「…ルア」
ルア「…ごめんなさい、ユーセイ。…俺、誤解して…間違えて…皆に迷惑を…」
ユーセイ「…何を言っているんだ!龍亜!」
ルア「え?」
ユーセイ「お前の想いがあったからこそ…無罪を勝ち取ることができたんじゃないか!」
ルア「でも…俺」
ユーセイ「確かに、自分勝手なところはあった。…だが、それは決して間違いじゃない。キリューの言っていた…罪を償うということも…決して間違いじゃない」
ルア「ユーセイ…」
ユーセイ「龍亜、世の中は間違いだらけだ。簡単には分からないだろう。…だから、俺達仲間と一緒に…考えていけばいい。だから、もう自分勝手な事はするな!」
ルア「…ごめん、なさい」
十六夜「…ふふ、そのことがわかったら。さっさと帰って勉強するわよ!」
ルア「えー…勘弁してくれよー」
ドラガン「はは……あ、ユーセイさん…今回はありがとうございます」
ユーセイ「え?ああ…はい」
ドラガン「でも…どうしても納得できなんです。…どうして、ブレイブは私のキングマンの衣装を…」
ユーセイ「あー…」
ドラガン「きっと…彼はオーナーを殺した後…私に罪をなすりつける作戦だったんでしょうか…。私、そんなに恨まれて…!」
ユーセイ「そうじゃないと思います…きっと」
ドラガン「え?」
ユーセイ「きっと…闇の力に負けたくなかったんじゃないかな?」
ドラガン「闇の…力?」
ユーセイ「ああ。どうやって闇のアイテムを手に入れたのかは分からない。…けど、決して自らすすんで手に入れた物ではないはずだ」
ドラガン「確かに…あんなものは手に入れたくもない」
ユーセイ「だからこそ、負けたくなかった。こんなものに…負けたくない。そう思っていると…彼はヒーローに頼りたかった」
ドラガン「ヒーロー?…キングマン…ですか」
ユーセイ「ああ。…ほら、寂しいときとか、心細いときって…ヒーローに頼りたい…。そんな気がすると思う。…だから、結果的にあーゆー行動をしたのかなぁ…と俺は勝手に思う」
>>77
今まで正しい方使ってると思ってた…ごめんなさい
ドラガン「無理やりすぎません?」
ユーセイ「確かにな。…まあ、どうあがいても妄想しかできないことも確かだ。特に、闇の力に支配された人の心なんて…分かるはずもない」
ドラガン「まあ…確かにわからないですけど」
ユーセイ「それに、そういう戸惑いがあったからこそ…バーバラに負けたんじゃないのかな」
ドラガン「戸惑い…確かに、それがなければ、オーナーには勝てそうですもんね」
ユーセイ「ああ…。殺したくない。俺は誰も殺したくない。闇の力には屈しない。…その気持ちがあったからこそ…負けたんだ。…いや、闇の力に勝ったというべきか」
ドラガン「…そうですね。…ほんと、惜しい人たちを亡くしてしまった…」
ユーセイ「大丈夫…まだ、まだやり直せる。まだな」
だけど、俺達はこの時…まさか、あんな事件に巻き込まれるだなんて…知りもしなかった。
D….L…..2..ゴ..ウ..ジ..ケ..ン.ヲ..ワ.ス.レ.ル……..ナ
終
多分、これでもう終わりだと思います…。次回はもうないかなー…と…たぶんね
だってこれ書いてると腕が痛いんだもん。主に深影オバちゃんのセリフ
遊星「異議あり!それには矛盾が生じています!」
だよ
ググってくるわ
ありがとう
>>72
あとよろしければいいので
遊星「異議あり!明らかに矛盾しています」
というssも書いてあります
こちらは無印の第一話。前に紹介してもらった者は無印の第二話になってます
ありがとうございます!
https://yugioh-souba.com/?p=666
https://yugioh-souba.com/?p=669
乙乙
引用元:https://hayabusa.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1382886640/